SMILE

2023年 動物病院の人材育成について考える

Contact

2023年 動物病院の人材育成について考える

2023年 動物病院の人材育成について考える

2023/01/03

みなさん、新年明けましておめでとございます。

2023年の年明けは、コロナ以降初の行動制限がない中で始まりましたね。皇居の初参賀、箱根駅伝での沿道での人の多さなど日常が戻ってきたように感じます。しかし、コロナ禍で対面での接触が憚られた数年間で対話能力やコミュニケーション能力の低下などの問題も表面化したとも感じています。

キャリアコンサルタントを取得したのは、2019年12月。コロナが始まる前でしたが、「キャリコンのように話をきくことのできる人が組織にいれば、キャリコンは必要ない」というようなことをききました。対話能力やコミュニケーション能力は、若手などの新人だけの問題ではなく、後輩育成にあたる管理職や上司の問題でもあります。

 

動物病院でキャリア支援を始めて3年になりますが、昨年は離職やメンタル不調による相談を多く受けました。これらの問題は動物業界だけではなく、日本全体の問題となっています。そこで今回は、「人材育成」の視点で、日本の働く人の意義について考えたいと思います。

日本における働く人の意識の変化

Changes in the Meaning of Work in Japan 

米田幸弘 和光大学准教授は、日本人にとっての働くことの意味が20年間でどう変化したのかを国際比較調査データを用いて明らかにしています(Japan Labor Issues,Vol.7, No.41, January, 2023)。仕事の中心性、雇用へのコミットメント、組織のコミットメント、仕事の満足度などの多くの指標に焦点を当て、仕事の価値観と仕事の態度の特徴を次のようにまとめています。

  1. 日本人の仕事中心性は、1980 年代前半まで諸外国に比べて非常に高かったが、その後低下した。近年、日本の絶対的労働中心性は先進国の中で中位に位置し、相対的労働中心性はやや低くなっている。
  2. 1990 年代の日本における雇用のコミットメントは、金銭的・道具的仕事志向と非金銭的仕事志向の両方の点で高かった。しかし、2010 年代には、金銭的/手段的な仕事への志向は一貫して高いままだが、非金銭的な仕事への志向は著しく低下した。
  3. 組織へのコミットメントを見ると、日本では、組織のために努力したいという気持ちは弱いものの、一貫して定着率が高い(転職意欲が低い)ことが観察された。仕事の満足度は一貫して非常に低く、2010 年代にはさらに低下した。
  4. 日本人は特に勤勉な労働倫理を持っておらず、仕事の条件として職場の人間関係の快適さを強調する傾向が強い。

 

まとめ

Summary

この研究は、日本人にとって仕事が以前ほど人々の生活の中心ではなくなっているという結論を導き出しています。そもそも低かった仕事の充実感がさらに落ちたこと。また、仕事に意味を見出すのが難しくなるにつれて、「仕事はお金を稼ぐ手段」と受け入れる傾向が強まっているとのこと。これは他の先進国にはない変化です。
他の先進国との比較を通じて、仕事の価値観と仕事の態度。かつて日本人の特徴と考えられていたいくつかの特徴が、もはや当てはまらないことを示す研究結果となっています。

暮らしと意識に関する調査

Survey on Lifestyles and Attitudes

日本放送協会(NHK)と独立行政法人労働政策研究・ 研修機構(JILPT)は、人々の暮らし向きの様子や中流に関するイメージ、社会に関する考え方などを把 握するため、「暮らしと意識に関する NHK・JILPT 共同調査(2022 年 7 月 29 日~2022 年 8 月 1 日)」を日本における 20~69 歳の男女を対象に実施しています。主な目的は、人々の暮らし向きの様子や中流に関するイメージ、社会に関する考え方などを把 握するためです。

その中の調査結果では、理想とする働き方、所得については「同じ会社で長く働き続ける(終身雇用)」 の割合(50.5%)が過半数ともっとも高く、次いで「転職を通じて、キャリアや所得を上げていく」(23.8%) が4分の1弱、「所得にこだわらず、負担の軽い仕事を選び続ける」(12.5%)及び「なるべく働かず、投 資などの不労所得で生活していく」(11.4%)が各々10%強となっています(図5-1)。また、理想とする働き方を実現するためにもっとも必要と思うことについて尋ねると、「仕事と家庭の両立支援」の割合(29.4%)が約3割ともっとも高く、次いで「企業経営の安定」(19.7%)、「十 分な社会保障制度」(17.4%)の順になっています(図5-7)。一方、「自由な転職市場」(6.1%)、「充実した人材育成制度」(11.4%)、「自己啓発による能力向上」(14.5%) については相対的に割合が低くなっている。

理想とする働き方、所得について

図5−1

理想とする働き方を実現するために最も必要だと思うもの

図5−7

まとめ

Conclusion

どうでしたでしょうか?
日本の働く人の動向や考え方は、ご自身の考え方と一致していましたでしょうか?
人材育成の視点から考えると、働く人の考えや動向を知ることは組織の中でどのように人材育成に取り組むべきなのか分析できるのではないでしょうか?

動物業界においては、他業種と比べると「獣医師になりたい」「愛玩動物看護師になりたい」「動物に関わる仕事につきたい」と思って働く人が多くを占めます。その人たちを、どう導くのかは組織にかかっているのかもしれません。

上記の研究結果だけをみると働く人の意欲が落ちているのかな?と考えがちになるデータですが、成長に不安や悩みをも持つ若い人たちもいるようです。
「ゆるい職場」は、悪かという等テーマで書かれている記事が興味深かったのでシェアしたいと思います。

▶︎ ゆるい職場」は悪か?若手・上司に知ってほしい“キャリア不安”の解決策

 

動物病院でキャリア支援をはじめて3年。
複数の病院にお伺いする中で、人材育成における組織の課題は様々であると実感しています。昨年は目標としていた国際EAPコンサルタントの資格も取得することができ、より一層組織へのサポートができるように頑張りたいと思います。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。