SMILE

人材育成で話題の1on1、動物病院でも可能!?

Contact

人材育成で話題の1on1、動物病院でも可能!?

人材育成で話題の1on1、動物病院でも可能!?

2021/08/29

多くの企業などで導入されている1on1を、ご存知の方も多いと思います。
でも実際に1on1ってなんなの?意味あるの?役に立つのなど、多くの疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は、多くの企業が導入している1on1について、メリットや導入時の注意点、動物病院でも可能なのかという視点でお話ししたいと思います。

目次

    1on1って何?

    大手企業が導入する1on1

    1on1とは、「上司と部下の間で、週に1回〜月1回、30分から1時間程度、用事がなくても行う定期的な1対1の対話」のことです。IT企業が集中するシリコンバレーを中心に、米国では数多くの企業が1on1を実施しています。

    日本では、2017年のHRアワード書籍部門・優秀賞を受賞した『ヤフーの1on1部下を成長させるコミュニケーションの技法』(本間浩輔著、ダイアモンド社)、『シリコンバレー式最強の育て方人材マネジメントの新しい常識1on1ミーティング』(世古詞一著、かんき出版)などの出版をきっかけに、一躍注目を集めています。

     

    1on1の実施は、原則的に経営トップが自ら率先して実践するのが望ましいですが、経営者から幹部、幹部から中間管理職、管理職から部下へと、会社を網羅する様に実施することがポイントになります。

    人事評価面談との違い

    1対1の面談なら、人事評価に行なっていると思われる方も多いと思いますので、図にして違いを確認してみましょう。

    よく見ていただくと、人事評価面談と1on1は似ている様で、随分と違いがあることに気付いていただけると思います。

    上記の図は、理解いただけると思うのですが、1on1で難しいのは、部下との対話の時間をつくるというだけでなく、その対話のスキルも上司に求められるということです。1on1には、傾聴スキルやコーチング・カウンセリングなどのスキルが求められます。

    その理由としては、前回のブログでお伝えした心理的安全性が必要だからです。

    上司と1on1を実施したが、逆にモチベーションが下がったという話もよく耳にします。単純に1対1で話をするだけでは、1on1で求められることができていないのではないかと考えられます。

    1on1で期待される効果

    従業員との対話に時間を割いてでも、また上司に必要なスキルを求めても1on1を実施する企業が多いのには、理由があります。それは、1on1実施により期待される効果として最初に挙げられるのが、会社と社員のエンゲージメントだからです。

    2015年にGoogle社が「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なこと」と発表したことで、心理的安全性が重要視される様になりました。心理的安全性とは、「誰もが均等に話す機会があること」「自由に意見が言える」「否定されない」ということです。Google社では、心理的安全性を確保するという目的で1on1を5つの重要マネジメント施策の一つとして位置付けています。

    心理的安全性が企業の業績に影響を与えることが明らかとなり、近年人事施策のキーワードとしてエンゲージメントが注目を集めています。エンゲージメントが向上すれば、従業員の意欲向上やスキルアップ、問題の早期発見に繋がります。

    また、人材の維持・離職防止という観点でも、平成30年若年者雇用実態調査の概況(厚生労働省)によると退職理由の第2位は「職場での人間関係がよくなかった」が26.9%と高く、適切に1on1が実施されれば、エンゲージメント向上が期待され、離職防止にも有効と考えます。

    1on1よくある失敗

    先述のようにさまざまな効果が期待できる1on1ですが、やり方によっては、失敗も招きます。

    事前に起こる失敗を予測して、対処することが求められます。

    前述した様に、1on1を主導する上司にはさまざまなスキルが求められます。事前に導入研修を実施するなど、事前にしっかり準備をして導入、運用することが大切です。

    時間が取れず実施できない

    どの会社においても、時間が取れず1on1が実施できないと考えられるのは多いのではないでしょうか?

    時間がないのではなく、「1on1よりも優先順位の高い業務がある」ということではないでしょうか?忙しい動物病院においては、日々業務に追われていると思いますが、1on1の実施には、「1on1を優先順位の高い業務にする」と従業員が共通の認識にすることが求められます。

    話のネタが尽きてしまう

    前述した様に、1on1では話をする上司に様々なスキルが求められます。
    1on1がきちんと運用されていれば、話のネタが尽きるということはありませんが、以下の問題が考えられます。

    何を話したらいいかわからない

    1

    解決策▶︎慣れない間は、テーマシートなどを作成し、共有する

    部下が本音を話してくれない

    2

    解決策▶︎上司と部下の信頼関係を築けていないことが考えられるため、最初の3回程度は一切業務の話をせずに、安心・安全の場をつくる

    雑談や、業務連絡でおわってしまう

    3

    解決策▶︎テーマシートの活用も有効ですが、面談を行う上司のスキル不足が考えられるため、事前に管理者に対する導入研修の実施を行う

    1on1の目的とは

    1on1の目的は、短期的な業務の課題解決ではありません。

    中長期的な自立的人材の育成、及びエンゲージメントの構築です。
    その際に、理解しておくと役に立つのが、デビット・コルブが示した「経験学習サイクル」です。人は知識から学ぶのではなく、経験から知識が導き出された時に初めて深い学びがおきます。

    1on1では、この経験学習サイクルを活用するために、主導する上司が質問・要約・勇気づけ・任せるということを行い、このサイクルを回転させる支援を行います。

    以前は現場を見て学ぶというOJT(職場内教育)が主でしたが、現在ではさらに対話を用いて従業員との関わりを持つことが求められています。

    まとめ

    動物病院における1on1の導入においては、一番の難関は、時間の確保ではないでしょうか?

    コロナ禍においても、動物病院は今までと変わらず忙しいのが現状です。経営的には、コロナ禍の状況でも売り上げが変わらないということは嬉しいのですが、人員不足や業務の複雑化、今まで通りの社員のコミュニケーションが取れないコロナ禍では、ストレスを以前より抱える従業員の方も多く見受けられます。忙しい動物病院では、キャリアコンサルタントとして従業員の話をお伺いしていますが、話をお伺いする中で、初めに気をつけるのは信頼関係の構築です。初めに守秘義務がある旨をお伝えしますが、それだけでは、なかなか話はしていただけません。

    カウンセラーに求められるスキルを用いながら、否定せずに話を聞くということを続けることで、お話しいただけることがほとんどです。

    1on1で求められるスキルは、カウンセラーに求められるスキルと似ている部分もあります。普段飼い主さんの話を聞くことにたけている獣医師、動物看護職の方々ですが、忙しい時間を確保しながら、自身の価値観を押し付けることなく、部下の話を聞くということは、安易ではありません。

    1on1導入前には、時間の確保とともに、話を聞く上司の研修も必要です。

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。