動物病院におけるキャリア支援2021年
2021/12/27
コロナ禍で始まった2021年。
振り返ると東京オリンピックも開催されていたんだなぁと、なんだか遠い昔のように感じる方も多いのではないでしょうか?
デルタ株による第5波が落ち着き日常を取り戻しつつあったところに、オミクロン株の出現。年末年始の予定を変更したり、院内の感染予防を見直したりすることに時間を取られたりと、見えないコロナとの戦いは、まだまだ続くであろうと予測されます。
そんな中でも、2021年は複数の動物病院でのキャリア支援を実施させていただくことができました。
複数の動物病院にお伺いする中で、キャリアコンサルタントとして動物病院でのキャリア支援の形がみえてきました。キャリアコンサルタントとしての視点、またEAP(Employ Assistance Program)の視点から、個と組織の支援が、私が動物病院でできる支援だと再認識しました。
目次
経営者のおもいとキャリアコンサルタントの役割
キャリアコンサルタントとして、動物病院で依頼を受ける主たるものは、「従業員のモチベーションを上げたい」「やりがいを持って働いてほしい」「離職を防止したい」というものです。経営者の方のお話をお伺いする中で感じるのは、働いている従業員のために何かしたいという強いおもいです。
しかし、従業員と経営者の間には、視点が違うこと、見えている世界が違うことから、なかなか経営者の思いは従業員には伝わりにくいものです。
キャリアコンサルタントとして、経営者と従業員の中立的な立場で働く人のキャリア支援をすることは、その間にある壁を低くし、経営者の思いが従業員に、従業員の思いが経営者に届くように支援することです。
その中では、やはり経営者の方としっかりコンタクトを取り、支援を行うことが大切だということを再認識した1年になりました。
2021年のSMILEの活動
キャリア研修の実施
それぞれの学び
昨年はキャリアカウンセリング(従業員と1対1の面談)を主として実施させていただくことが多かったのですが、2021年はキャリア研修を多く実施させて頂きました。
キャリア研修は、個人個人に焦点を当て、自身のキャリアの棚卸しや自己理解を促し、自身の強み、または強化する点などを本人に考えてもらうものです。
コロナ禍ということでオンラインが広まり、CVP(Community of Veterinary Professional)でもオンライン研修を開催させて頂きました。自己理解からのセルフケア、1on1実施における傾聴など、2回開催させて頂きましたが、それぞれ自己理解を促す研修となり、院長、獣医師、動物看護職の方と、それぞれが違う業種でありながら、ワークを通じて様々な気付きを持っていただけたと思います。
獣医師、または経営者の方、動物看護職の方が、同じセミナーを受ける機会はそう多くないため、ワークを通じて双方の理解を得る、いい研修になったと感じています。
EAP 組織コンサルテーションの学び
Employ Assistance Program
キャリア支援を始めキャリアカウンセリングを行う中で、ストレスマネジメントが上手くできていないと感じることが多くありました。ストレスマネジメントが上手くいかないと、メンタル不調に陥ることもあり、動物病院でのストレスへの予防に取り組む必要性を感じました。その中で、eMC®︎EAPメンタルヘルスカウンセラーの資格認定試験に合格し、EAP組織コンサルテーションについてもも学びました。
動物病院では、真面目で、誠実に仕事に向き合われる方が多く、ストレスマネジメントが上手くいかない場合は、バーンアウトや離職に至ることもあり、支援の一環としてストレスマネジメントを取り入れはじめました。
キャリアコンサルタントの歩み方
キャリアコンサルタントとしての広がり
キャリアコンサルタントとして技術の研鑽を行う中で、キャリアコンサルタント同士の繋がりの機会がありました。
今までの自身の活動を振り返る機会になったことは勿論のこと、お世話になった先生方への想いも整理することができ、いい機会をいただいたと感謝しています。
写真は、さくら動物病院の院長平林先生です。
2021年振り返りと2022年に向けて
2021年もWith Coronaで始まり、With Coronaで終わりそうですね。
非日常が日常となる中でストレスを感じることも多かったかもしれません。
しかしその環境だから考えることや、取り組めたことがあったと思っています。
2022年は、働く従業員のために、何かしたいと考えておられる経営者の方に、より良いサービスを提供できるように、また頑張りたいと思います。