動物病院におけるキャリアコンサルタントの役割と仕事
2021/07/11
目次
動物病院におけるキャリアコンサルタントの役割と仕事
ウェブサイトをリニューアルしてから、「実際に動物病院で何をしてくれるの?」「何ができるの?」というお問い合わせを頂くようになりました。
確かに、キャリアコンコンサルタントと言われても、経営コンサルタントと何が違うのか、よくわからないですよね。
今日は、キャリアコンサルタントとしての役割や実際の動物病院の現場で行っていること、また大事にしていることについてお話ししていきたいと思います。
動物病院におけるキャリアコンサルタントの役割と仕事
キャリアのパラダイムシフト
心の豊かさを求める時代へ
高度経済成長期から始まる年功賃金制と終身雇用制の人事制度、物質的な豊かさを求めた時代から、現代では「心」の豊かさを求める時代にシフトしています。動物病院においても、働き方にも変化が起こり、開業思考だけでなく、動物病院での終身雇用を求める声も増えています。
多くの従業員が働く中では、それぞれ価値観が異なり、個々に応じたマネジメントが求められるようになってきています。
勿論、動物病院は動物の命を預かる現場になるため、世間一般のテレワークや時間通りに終わるということが難しい仕事かもしれません。
しかし、個々の従業員が大切にしているものは何でしょうか?
給与や待遇だけでしょうか?
決してそうではないと思うのです。
「動物の命を助けたいと」いう高い志を持って、働いているのではないでしょうか?
お伺いする動物病院では、皆さん、高い志を持っておられます。
動物病院で働き続けたい、終身雇用を求める声は、「心の豊かさ」「自己成長の実感」ができる職場だからではないでしょうか?
しかし、頑張れば頑張るほど、バーンアウトしやすいのも事実です。
また、家族を持つなどして、価値観や優先順位も変化していきます。そのため、会社においては、一律のマネージメントではなく、個々に応じたマネジメントを要求されるのです。
キャリアコンサルタントの役割
経営者と従業員の中立的立場
キャリアコンサルタントとしてお仕事をする時は、必ず経営者の方からお話をお伺いしています。
経営者の思いをおうかがいすることにより、組織をどのような形にしたいのか、組織をどのように成長させたいのかをイメージします。
その上で、従業員の方が、生き生きと働くための支援を行います。
前述した個に応じた支援を組織が行うことにより、個人の働きがいや意味を生み出していきます。その個の視点を尊重できる立場にいるのがキャリアコンサルタントなのです。
なので、お伺いする動物病院では、1体1の面談(キャリアカウンセリング)を実施させていただくことが多くなります。
面談に関しては守秘義務があり、全てを経営者の方や人事部に報告はできませんが、面談者と許可をいただいた内容や全体の報告書を通して現状や課題など気付いた点をご報告させて頂いております。
また、個の支援以外には、中間管理職の方への支援も行なっています。
その場合は、顧問契約という形を取り、いつでも管理職の方が相談できる体制を取っています。
具体的には、中間管理職の方が求められていることの理解を深めるためのセミナーや研修、また後輩育成で悩まれていることへのフォローアップです。
キャリアカウンセリング(面談)の相談例
病院によって、異なる課題
キャリアカウンセリングを通じて、さまざまな相談をお受けします。
職場での対人関係から、自身のキャリアに関して、家庭との両立など、相談内容はさまざまです。また、お伺いする動物病院によって、相談内容の偏りも異なります。
勿論、会社への不満などを相談として受けることもありますが、その不満の原因が相談者のどこにあるのか、丁寧にお話をお伺いする中で考えて頂きます。
そうすると、不満の原因が本人の焦りからによるものであったり、家族の問題であったり、本人の考え方の捉え方であったりと、必ずしも会社による不満でないことも多く見受けられます。
キャリアカウンセリングというと馴染みのないものですが、1体1の面談を通して、個人個人が自身の課題に向き合っていただく時間を作るものだと考えています。
日常の業務や自身の役割に追われていると、意外と自身のことやキャリアに関して振り返る機会がないものです。
キャリアカウンセリングは、そういう意味では、自身に向き合っていただく時間と言えるでしょう。
キャリア研修
個々のニーズに沿ったキャリア研修
ビジネスの場で言われる「キャリア」とは、働くことでスキルを蓄えていく過程のことです。どういうキャリアを積みたいのかという問いは、どういうスキルを身につけていきたいのかということと同じではないでしょうか?
そのため、所属している動物病院だけでなく、スキルを身につける従業員自らが主体的に考えられるキャリア研修が有効だと考えています。
キャリア研修は、自分のあるべき姿は何か、何を求められているのかということを考えるための研修です。多くは階層別(若手社員向け、中堅社員向け、管理職向けなど)に行いますが、研修には生き生き働くためのメンタルヘルスケアも実施しています。
また、研修後に、キャリアカウンセリングを実施させて頂き、個別に自身のキャリニアついて考えていただく機会を作ることも、従業員が主体的に働く取り組みつながります。
まとめ
キャリアコンサルタントができること
実際にキャリア支援を行う中で、院長先生との関わりやお話を聞く機会がとても多くなります。
皆さん、従業員のことを考え、どのようにしたら従業員が幸せになるのかを真摯に考えておられます。そのような話を聞くと、ありがたいなぁという感謝お思いと共に、とてもワクワクします。
自分に何が支援できるか、考えるからです。院長とのお話を聞くことも、一つのキャリアカウンセリングです。
従業員に寄り添うことで、院長の思いを実現する。
個人と組織がWIN-WINになるための機会をつくることが、キャリアコンサルタントの役割です。
キャリアコンサルタントである私ができることは、院長への寄り添い、院長の思いを形にすることのお手伝い、従業員のやりがいの支援です。
従業員の方々の笑顔を見るたびに、やりがいを感じています。
キャリア支援という聴き慣れない言葉ではありますが、キャリア支援は従業員の主体性にフォーカスした支援です。