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人材育成における悩みへの解決プロセス

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人材育成における悩みへの解決プロセス

人材育成における悩みへの解決プロセス

2021/10/05

キャリア支援を行う中で、経営者や管理者の方からの相談の上位を占めるのが人材育成や離職に関するものです。

動物病院で働く従業員の多くは、獣医師や動物看護師、トリマーといった技術を身につけて仕事を行う人々です。自身の技術を高めることには長けていますが、人を育てることやマネージメントには、異なるスキルが求められます。

 

相談内容には、「問題がある、よくわからない後輩の対応に周囲が困っている」「パフォーマンスの低い後輩や従業員を問題視していて、どうにかしたい」「従業員からいきなり、離職を伝えられる」「メンタル不調者が増えているなど」など、組織が抱える問題は個人の要素から組織環境における支援が必要な要素など多岐にわたります。

 

問題が起こった場合には、個人だけの問題として考えるのではなく「システムエラー」という視点で、個人と組織の問題として捉えてみてはどうでしょうか?個人の問題としてだけ捉えた場合には、一つの問題が解決した場合には、また同じような問題が連鎖的に起こってくることもあるため、組織を一つのシステムとして、今起こっている問題をみてみましょう。

目次

    システム理論

    組織を一つのシステム(単なる個人の寄せ集めではなく、それぞれが影響し合う一つの有機体)として捉えた時、個人は常に環境と交流しており、問題とは個人のものだけでなく、その行動と社会状況の相互作用によって発生したシステムエラーであると考えることができます。

    問題の改善には、個人、環境、個人と環境のやりとりなど、それら全ての結果により起こると考えられます。

    キャリアカウンセリングなどは、個人への支援になりますが、問題によっては組織に働きかけ、環境の改善にもとり組んでいただき、その場合には、システム理論でいうところのシステムがうまく回り出したことを感じることができます。しかし、個人の支援だけが継続される場合には、なかなかシステムエラーが改善されないということも実感しています。いつまで経っても、個人の問題が改善されにくいというわけです。

     

    経営者の方や管理者の方からは、問題となる人物だけをなんとかしようと考えたり、依頼を受けることがあります。その場合においても、経営者や監督者の方から話を聞くことは当然ながら、その問題は個人だけに原因があるのか、職場や組織のシステムの不具合から起きている可能性はないか、システム理論の中で考えてみると、解決の糸口が広がります。

    小さなミスを繰り返す獣医師

    個人と環境に働きかける例

    おちょこちょいなタイプで、小さなミスを繰り返し、いつも上長である獣医師主任に怒られる。やがてその獣医師は自信を無くし、鬱状態に陥る、もしくは業務を投げ出すということが起こる。

    ミスを繰り返す獣医師にはカウンセリングを実施し、上長である獣医師には、部下とのコミュニケーション方法を指導し、精神的に追い込まれないように注意してもらったところ、獣医師は元気を取り戻し、ミスが軽減した。

     

    本人のミスを責めるより、関わり方を変化させることでパフォーマンスが向上し、従業員の生産性が維持された例ですね。

    背景には個人的要因と組織的要因

    経営者、管理者の方が抱える問題の背景には、個人または組織の要因が考えられます。

    個人的な要素からくるもの

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    ・職務への適正からくるもの

    ・モチベーションや仕事への取り組みの姿勢からくるもの

    ・能力からくるもの

    ・職場の環境や周囲との人間関係、置かれているものからくるもの

    ・プライベートな背景からくるもの

    ・心身の健康状態からくるもの、その他

    所属する部署や組織の労働環境など組織的な要素からくるもの

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    ・業務の内容(質)や業務の量

    ・労働条件やルール

    ・指示系統を含む組織体系

    ・物理的な環境

    ・企業の文化・風土的背景、その他

    管理監督者自身の問題からくるもの

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    表面的な訴えとしては、部下や職場の環境の問題からくるとされていても、その奥には管理者自身に問題が由来する場合もなくはありません。そのような場合には、管理者の話をしっかり聞き、管理者へのサポートを強化する必要があります。

    解決へのプロセス

    問題が起こったときには、①問題提起(何が起こっているのか)を整理した上で、何をどうしたいのかという②目標を明確化する必要があります。また、どのような状況になれば、目標が達成されたと感じられるのかを、組織としてシェアしておくことも大切です。

    目標の明確化という点においては、組織として問題点は同じ理解でも、目標の達成目標が経営者と管理職、従業員では異なっていたりすることもあるため、明文化して記録しておくことをおすすめします。

     

    ①問題提起②目標の明確化ができれば、③現状の把握・資源の発見をしていきます。いま実際に起きていることは何か、機能している点・していない部分はどこか、活用できる資源は何かなど、今後の支援策を必要な具体的方法で洗い出していきます。

     

    意外とできていない部分を問題視しがちですが、組織として何も取り組んでこなかった動物病院にお会いしたことはありません。今ある機能や取り組んだことなどを整理し洗い出すことは、まだまだ十分に生かせる機能であったりすることもあります。

     

    また、問題が多岐に渡り、「カオス状態」であると感じておられる経営者、管理職の方に関しても、①②③のステップを踏むことで、次に何をすればいいのか見えてくるのではないでしょうか?

     

    獣医師の診療に例えると、血液検査において肝臓、膵臓、腎臓全ての数値が上がっていたり、画像検査でも異常が散見されたりする場合でも、上がってきた検査データを整理し、治療を行うという流れは、問題点を一つづつ問題と捉え検査データに対処することと、個人を問題視して捉えた場合の対処と似ており、全ての検査データから体全体の評価を行い治療を行うという対処は、組織のシステムのエラーに対処するという点に似ているのと思うのですが、どうでしょうか?

     

    治療において、一つ一つの問題に対処した場合の結果と、体全体の問題に対処した場合では、結果として異なることは、獣医師の先生方においては理解しやすい考え方ではないでしょうか?

     

    勿論、動物の体と違い個人の問題は検査データの数値のようには、異常は測れません。しかし、視点を変えることで、取り組むべき問題も解決方法が見えてくるものだと思います。

     

    まとめ

    組織の問題点は、経営者また管理者の方にとって頭を悩ます問題です。

    組織としての取り組みにより、人材育成、さらには採用戦略にも影響を及ぼすものになります。
    まずは、問題点の整理から始め、目標設定、さらには方策と計画的戦略を練ることが、組織としての問題改善につながると考えます。

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