ビジネススキルに必要なアサーションとは?

Management

 

ビジネス用語でよく耳にする、「アサーション」。

皆さんは、アサーションというものは何か、また動物病院に勤務していてどんな役に立つのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?

 

「アサーション」(assertion)とは、より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの一つです。

 

人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のことです。トレーニングを通じて、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いを尊重しながら率直に自己表現ができるようになることを目指します。

 

アサーションとは?

アサーションの意味は、「自分も相手も大切にした自己表現」のことであり、具体的に言えば、「自分の考え、欲求、気持ちなどを率直に、正直に、その場の状況にあった適切な方法で述べること」です。

 

自分の言いたいことがうまく言えれば、どんなに楽に過ごせるだろう。。。
職場や家庭でそう考える人は少なくないでしょう。

しかし実際には、言いたいことが言えずに自分ばかりストレスを抱え込んだり、言わなくてもいいことまで口にして相手にストレスを与えたり、といったトラブルは大なり小なり皆さん抱えているのではないでしょうか?

そうした環境下でも、良好な人間関係を保ち、前向きでいられる人、つまり対人面の“ストレス耐性”が高い人はほぼ例外なく、アサーションの技術を身につけていると考えられます。

 

アサーションの3つの自己表現タイプ

アグレッシブ 攻撃型タイプ

このタイプは相手よりも自分の意見を優先するタイプです。
ドラえもんでいえばジャイアンのようなタイプです。

自分の主張をはっきりと伝えるが、相手の気持ちを無視し、主張を押し付ける言動をします。 このタイプは、勝ち負けで物事を決めたり相手より優位に立とうとします。

それは「自分は一番」「あなたはダメ」 といった気持ちが根底にあるからなんですね。

攻撃的タイプは必ずしも「口調がキツイ」 とか「大声で怒鳴る」だけではなく、自分勝手な行動をとり、そのため巧妙に相手を操作しようとすることもあります。

 

ノン・アサーティブ 非主張型タイプ

このタイプは自分よりも相手を優先する ドラえもんでいうとのび太君のようなタイプです。

自分の気持ちや意見を表現しなかったり、 しそこなったりするのがこのタイプです。
ただ自分の意見を口にしないだけではなく、あいまいな言い方や言い訳がましいのもこれに当てはまります。

自己肯定感が低く、相手の気持ちや態度を考えてしまうために自己主張できずに、自分のことを分かってもらえないという気持ちが残ったり、後で言い訳をしてしまうタイプです。

 

アサーティブ 攻撃型と非主張型の黄金率

このタイプは相手も自分もどちらも大切にする ドラえもんでいうと、しずかちゃんのようなタイプです。

自分の気持ちを正直に率直に、その場にふさわしい表現方法ができるタイプです。
そして相手が同じように意見を話すことを人にも薦めることができます。

時には意見がぶつかることも踏まえていて、お互いに意見を出し合い、最終的に双方の納得のいく結論を出そうとする理想的なタイプです。

 

タイプの違いによる自己表現の例

行列に並んでいて自分の前に横入りされた時、どのような行動をとりますか?

  1. ムッとして内心腹は立つが、相手には何も言わない。(ノン・アサーティブ)
  2. 割り込みしたことに対して怒り、列から外れるように言う。(アグレッシブ)
  3. 先に並んでいたことを伝え、後ろに並ぶよう丁寧に頼む。(アサーティブ)

何となく、アサーティブの表現が理解できたでしょうか?

 

ビジネスシーンでの必要性

 

さまざまな人間が集まるビジネスシーンでは、年齢や立場、考え方や性格の違う人々との間で良好な人間関係を築いていくことが求められます

良好な人間関係の基本は、コミュニケーションです。

従来から管理者研修においてコミュニケーションは必須といわれる理由がここにあります。

アサーションスキルを身につけるということは、自他尊重の自己表現を身につけ、自分にも相手にもストレスの少ないコミュニケーションスキルを身に着けることになります。

このスキルを実践できることがビジネスシーンでの円滑なコミュニケーションの成功につながることは明らかです。

ストレスは、人によってその原因も違えば感じ方も違います。
中でも人間関係のストレスは厄介で、なかなか解決に向かうことができません。
毎日職場で顔を合わせる相手との関係であれば、それはかなり深刻な問題です。

職場において、「ノー」と言えないことでメンタルに不調をきたしてしまっては、自分を守ることができません。
そして、会社としても有能な人材を失うことにもなりかねません

 

動物病院でもそうですが、サービス業を中心として人と関わる職業のビジネスパーソンは、顧客の要望を聞き入れることが優先となり、結果的に自己犠牲を伴い「燃え尽き症候群」になりやすいと言われています。

対スタッフ間だけでなく、動物の家族とのやり取りもストレスを抱える原因の一つになります。

そうならないためにも、たとえ顧客であっても自分の意思や考えを伝えることが大切です。
動物にとって好ましくない依頼をされた時でも、「こういう方法ではいかがでしょうか」など、相手の意見も尊重しながら話し合うことで動物と双方に良い状況を作り出すことが出来ます。

これが、アサーションの効果です。

日常生活での必要性

苦手な人とのコミュニケーションは、多くの人の悩みです。
誰にでも苦手な人というのはいるものです。出来るだけ関わらないようにしたいのが本音ですが、実際はそうはいかない場合も多いのではないでしょうか。

 

私たちは知らず知らずのうちに自己防衛反応が働き、そのつもりがなくても苦手な相手に感情的な態度をとってしまったり、言いたいことをうまく表現できずに苦労しています。

 

アサーション・トレーニングを学び、自己分析することで自分のコミュニケーションパターンが分かると、考え方の方向転換ができるようになります。

上手なコミュニケーションにより苦手な人たちとの関係がよくなれば、心の負担が軽くなります

 

「親しき中にも礼儀あり」という言葉があります。
友人、親子、夫婦、恋人などの日常を会話を思い出してみて、「あの時はこうすべきだった」「こんな風に言えればお互いを尊重できた」など、まずは身近なところからアサーションを活用してみてはいかがでしょうか。

 

アサーション・トレーニングの実践例

それでは、アサーション・トレーニングの実践例をみてみましょう。
普段の仕事にも活かせる例を2つご紹介します。

上司からの無理な依頼を上手に断りたい

ビジネスの現場で上司からの仕事依頼は、手一杯の仕事を抱えていても断りにくいものです。自己主張できるタイプの社員であれば問題ないことでも、口下手で自分の意思を伝えることが苦手なタイプの社員には深刻な問題となります。

かといって、どんな仕事も引き受けていては、実質的な負担も心の負担も溜まる一方です。

「悪いけど、すぐに急ぎの書類を作成してくれないだろうか」という上司の依頼を断りたいとき、どのように返答すればよいでしょうか。

  • 「はい、わかりました。」と仕方なく引き受けてしまう
  • 「今はちょっと忙しいので…」と言いにくそうに断る
  • 「それは、私の担当ではないので」と言って断る

上記のように返事のしかた1つで相手の受けるあなたの印象はずいぶん異なります。
はっきりと断れば、できないということは伝わりますが、このような断り方では印象はよくありません。

アサーションは、自分も相手も尊重するコミュニケーションです。

この場合は、「今は○○の書類を作成していて時間がとれません。終わり次第取り掛かれますが、それでよろしいですか?」

と、自分の状況を説明し、こうであれば出来ると提案する方法が望ましいでしょう。

上司は早急に必要であればほかの人に依頼するでしょうし、少し待ってもあなたに依頼したいと思えばそうするでしょう。この返答により、自分の気持ちを伝えることができたので、次からは上司の対応も少し違ってくるかもしれません。

人に褒められたときの対応のしかた

人に褒められることは嬉しいことですよね。
でも、その場に同期の社員がいたり、同じ仕事をして自分だけが褒められたりすると、恥ずかしかったり、返答に困ったりする場合もあります。

そんなとき、どんな対応のしかたが適切なのでしょうか。

 

褒めてくれた相手と周りの人を尊重しながら、自分の意思を素直に告げる方法が望ましいでしょう。

まずは、褒められたことに対し、素直に「ありがとうございます」と答えます。
その上で「みんなの協力のおかげです」と付け加えたり、「ご指導のおかげです」などの返事ができると、自分も周りの人も気持ちがよくなり、良好な関係を築けます。

アサーション・トレーニングで場面ごとの表現のしかたについてイメージトレーニングがしていくことで、様々な場面で自然に表現できるようになるでしょう。

自分のタイプをチェックしよう

次の質問に当てはまる場合は○、当てはまらない場合は×で答えてください。

A項目
① 人前で弱さをさらけだすのが苦手である(○・×)
② 人の悪いところを指摘することがよくある(○・×)
③ 自分の思い通りにならないとイライラしてしまう(○・×)
④ 他人のミスについつい厳しくなってしまう(○・×)

 

B項目
① 引っ込み思案なところがある(○・×)
② 自分に自信がない(○・×)
③ 相手の意見に合わせて行動するところがある(○・×)
④ 相手に認められたいと期待することがある(○・×)
⑤ 相手に反論されると言い返せなくなる(○・×)

 

C項目 
① 他人に正直な気持ちを打ち明けることができる(○・×)
② 常に積極的に行動することができる(○・×)
③ 人が多い場でも自己主張ができる(○・×)
④ 苦手な人との会話も柔軟にこなせる(○・×)
⑤ 相手に避難されても、自分を卑下せず、さらに相手の意見も尊重できる(○・×)

 

さて皆さんは○がいくつありましたか?

 

 

結果
A項目の○が一番多かった人→攻撃的タイプ
B項目が○が一番多かった人→非主張的タイプ
C項目が○が一番多かった人→アサーティブタイプ

自分のコミュニケーションのタイプを知ることは 自己受容をする上でも大切です♪ ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 

まとめ

 

アサーションの基本は自他尊重の自己表現です。

その心構えが4つあります。

  • 思いを率直に表現すること
  • 相手に対して誠実であること
  • 自分と相手が対等であること
  • 表現することは自己責任であること

なぜ自己表現することが難しいのか。
まずは自分の感情と向き合い、受け入れることが重要です。

苦しんでしまうのは、感情の矛盾があるからです。

「本当は断りたいのに引き受けてしまう」「本当は怒っているのに相手に伝えられない」。
そんなモヤモヤを取り除くためには、適度に表現することが重要です。

それにより、自分の感情と行動が一致し、矛盾から解放されます。

円滑なコミュニケーションスキルのアサーション。
一度取り入れてみてはどうでしょうか?

 

 

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